2012年 07月 16日
ノリウツギの咲く頃に |
裏山に咲くノリウツギの花
木々の緑を背景に、よりいっそう際立って見える
昔は庭の花や野の草花など
気に留めることはほとんどなかった
いつも変わらずそこにあるものに気づかないように
昔は田舎の暮らしなど
何の魅力も感じなかった
ただ自分のことだけ
ただ自分がしたいことだけ
夢と希望に満ちていた頃
ましてや自分のずっと先の生活のことなど考えもしなかった
両親のことさえも
結婚し、好きな仕事に携わり
子どもたちが巣立ち
そして、また二人になったときでさえも
十年ほど前、祖父母の家に両親が移り住んでから
そこが私たちの帰省する場所になった
夫と二人の生活になったころ
足が思うようにならない母の歯痒さを
何とかしたいと思った
いずれは故郷に帰るだろうと
漠然とはしていたけど
それがいつなのかも考える余裕はなかった
母の思わしくない病状が
ふるさとに帰る切っ掛けになろうとは
皮肉だけれど、それで良かったと思う
今にして思えば
ふるさとの懐に戻ることは
きっと生まれた時から決まっていたのだろう
あした母は再び入院する
わずかだけれど望みをかけて
望みは叶えられる…そう信じて
そう信じて決めたのだから
昔は野に咲く花の名前など知ろうともしなかった
この紫陽花に似たたおやかな低木が
『ノリウツギ』という名前だということも
人目につかない裏山に咲く
ほんのり若菜色のノリウツギの花
ことしはいっそう大きく背を伸ばして咲いている
母の気持ちに寄り添うように
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ノリウツギ 【糊空木】(ユキノシタ科アジサイ属)
学名 Hydrangea paniculata
別名 糊の木(ノリノキ) サビタ
北海道~九州に分布する落葉低木。サハリン、中国にも分布する。
樹高は5mくらいまで。痩せ地では地面をはう。
山地帯の林縁など日当たりのよいところ。葉は対生。縁には鋭い鋸歯。
名は、枝を水に浸してぬめりのある粘液を採り、和紙を漉く時の糊料に用いたことによる。
花期は7~9月。小さな両性花の周りに白い装飾花がつく。
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by ryonasa
| 2012-07-16 20:46