2013年 07月 25日
切なさと寄り添いながら…父に会いに |
きょう午後、二週間ぶりに父に会いに行った。
ちょうど、レクリエーションのカラオケの時間。
カラオケと言っても、誰かが歌うでもなく、
画面の歌詞を見ながら、曲に合わせてみんなで一緒に歌を歌うのである。
画面を見て歌う人、手拍子している人、それができない人…。
その30人余りの白髪の目立つ人たちの中から、父を見つけるのは簡単だった。
少し髪の毛は伸びたけど、いつもの笑顔に会えた。
歌の合間に、この前と同じように話をする。
よく来てくれた、次に迎えにきてくれるまで、いい子で待っていると、繰り返し話した。
ちょうどおやつの時間になって、父のテーブルにも小さなお盆に、お茶とソフトせんべいが運ばれてきた。
二枚あるその一枚を自分がとり、もう一枚は私に勧めてくれた。
気遣いだけは昔のままの父。
私がいいよと目で言うと、ポケットに入れて持って帰りなさいと…。
父のベッドのサイドテーブルには、あの日渡した母のベアがちゃんと座っていた。
それを嬉しそうに抱いて、見せてくれた。
会ったばかりの時は忘れていたことが、1時間ほど一緒にいるだけで、少しずつ思い出すようだった。
そろそろ帰るねと言うと、ゆっくりとうなずいて廊下に出て、片手を上げ何度も会釈をして見送ってくれた。
小さくなった父を見て、なんだか急に切なさがこみ上げた。
急いで出ようとして、危うく、出入り口のドアにぶつかりそうになった。
別れる時が少し切ないけど、これも仕方ないことと言い聞かせ車に乗り込む。
穏やかな父であればあるほど、それが余計に辛い。
父であること。
あなたの娘であること。
それは揺らぐことのない事実なのだから。
切なさをこらえて、これからもできるだけのことをしよう。
裏山の柿の実は、去年の分をも取り戻すように、たくさんの実をつけている。
まるで、この場所を忘れないでと、父に呼びかけるように。
*追記…偶然にもきょう夕方、ケアマネージャさんが、父の施設に部屋の目印で使いたいからと、母のベアを取りにこられました。
父の部屋用と収納ダンス用にと、2体のベアをことづけました。
先に手渡したベアは、『いつも抱いたりして、かわいがっていらっしゃいますよ』と。
自分の作ったベアが、思いも寄らず父のことで役立てて、母も嬉しそうでした。
気になるランキングは?
一日一回、「見たよ~」のワンクリック、よろしくお願いしま~す^^;
ワンクリック、いつもありがとうございます。
おかげさまで連日上位にランクイン。
みなさまの応援が、なによりの励みです。
↓ ↓ ↓
にほんブログ村
by ryonasa
| 2013-07-25 20:15